特許第4738704号:データベースシステム [ 特許登録済 ] 出願日:2002年5月
本発明は、WEBデータベース、イントラネットシステムやクラウドに関する基本理念特許です。
請求項1:「通信ネットワークを介してユーザ用コンピュータに接続される、複数のデータベース(検索可能に配列されたデータの集合)を記憶した記憶装置と、サーバと、を備えたデータベースシステムであって₁、 上記複数のデータベースを記憶した記憶装置は、任意の情報処理ソフトウェアでそれに格納されたデータを用いることができるものであり₂、 上記各データベースは各種データをデータ項目毎に区分して配列するものであり₃、 上記サーバは、上記ユーザ用コンピュータからの指示により、上記複数のデータベースで共用することができるデータ項目を定義する項目定義手段₄と、上記ユーザ用コンピュータからの指示により、上記複数のデータベースの各々と上記データ項目とを関連付けるデータベース・項目関連付け手段₅と、を有し、 上記ユーザ用コンピュータから、ユーザがウェブブラウザを用いて上記通信ネットワークを介して上記ユーザ用コンピュータの入力画面を参照しつつ操作₆することにより、 上記項目定義手段及び上記データベース・項目関連付け手段によって上記データ項目を上記各データベースに対して任意に追加、削除又は変更することができるようになっている₆ことを特徴とするデータベースシステム。」
< 詳解 >
1.「通信ネットワークを介してユーザ用コンピュータに接続される、複数のデータベース(検索可能に配列されたデータの集合)を記憶した記憶装置と、サーバとを備えたデータベースシステムであって」
インターネットをはじめネットワーク上で利用するWEBアプリケーションやWEBデータベース、いわゆるクラウドと呼ばれている利用形態及びクライアントサーバ型データベースシステム、は全てこれに当てはまります。
2.「任意の情報処理ソフトウェアでそれに格納されたデータを用いることができるものであり」
特に今日のクラウド型インターネット利用形態では、データベースはインターネットを介して任意のソフトウェアで柔軟に利用できる事が必須であり、ますますこの要求は高まってきております。本特許は、任意のソフトウェアで最大限に柔軟に利用できるようこれ以下の文言でデータベースを定義しております。今日のクラウド型の利用形態においては概ね全てのデータベースシステムがこれに当てはまります。
3.「各種データをデータ項目毎に区分して配列するものであり」
データ項目毎に区分されていないデータは、データのマネージメント(処理)ができません。現存するデータベースシステムは必ず各データを項目毎に区分し、配列して管理(処理)します。よって、全てのデータベースシステムがこれに当てはまります。
4.「上記複数のデータベースで共用することができるデータ項目を定義する項目定義手段」
共用することができるデータ項目というのは、別々のデータベースで同一内容のデータ項目がある場合、それぞれのデータベースでその項目を共用する事で他方のデータベース内の項目データを参照することが可能となることを意味します。上図例では、会員データベースの氏名が一致した住所録データベースから住所等必要なデータを取得しています。つまり全てのリレーショナルデータベースシステムがこれに当てはまります。また、この意味するところはリレーショナルデータベースより広い範囲をカバーします。例えば、データの一元管理を目指すERP(Enterprise Resource Planning )システム等がこれに当たります。
5.「データベース・項目関連付け手段」全てのデータベースはデータベースとデータ項目を関連付ける手段を何らかの形で必ず有します。よって全てのデータベースシステムがこれに当てはまります。
上記図は、「ミュージックアルバム」データベースに関連付けられた各データ項目を表しています。
6.「ウェブブラウザを用いて上記通信ネットワークを介して上記ユーザ用コンピュータの入力画面を参照しつつ操作することにより、 上記項目定義手段および上記データベース・項目関連付け手段によって上記データ項目を上記各データベースに対して任意に追加、削除又は変更することができるようになっている」
ネットワークを通してブラウザで操作するデータベースの基本機能になりますので、ブラウザでデータ項目を操作できるいわゆるウェブデータベースシステムは全てこれに当てはまります。
また、iPhone, スマートフォン, iPAD等の端末機器が備えるユーザーインターフェースもウェブブラウザに該当します。
「管理するデータ項目をデータベースに対して任意に追加、削除又は変更することができる」 という機能は、広義の意味ではブログやツイッター等の機能のカスタマイズに使用されている技術に該当する可能性すらあります。
要約すると、(クラウド利用環境等を含む)インターネット上で各種アプリケーションから利用でき、ウェブブラウザを用いてデータ項目を操作(追加、削除、変更等)できるリレーショナル・データベースやERPシステムは全て上記特許に該当します。
今後ユーザー各自がクラウド上のデータ項目をカスタマイズするのに必要な本特許技術は、ますます重要になり欠かせなくなってくるものと思われます。